こんにちは。浮気探偵.com~浮気成敗コラム~です。本日は、ご主人が亡くなった後の遺品整理中に、生前の浮気を知った妻の体験談をお伝えします。まずは登場人物の紹介です。
登場人物
・私 60代後半
・夫 70代後半
・娘たち、孫たち
・病室に現れた女性=夫の浮気相手
夫の浮気 遺品整理の最中に発覚した夫の浮気
夫は昨年、大病を患って入院し、そのまま病院で他界しました。病気の発覚から亡ってしまうまで、わずか半年の急すぎる死でした。それでも70代まで元気に過ごして、2人の娘や4人の孫にも恵まれて幸せな人生だったと思います。
私は夫より10歳年下だったので、2人とも年金生活になってからは「いつか、夫を看取って1人で暮らしていかなくてはならないのだろう」と覚悟をしていました。だから、趣味として韓国語を習い始めたり、そこで出会った同世代のお友達と新大久保に遊びに行ったり、自分の人生を謳歌するために新しいことに挑戦していました。
夫は15年ほど前に定年退職してからは、庭で野菜を育てるなど、畑仕事を趣味にしていて、ほとんど外出しませんでした。たまに出掛けると言えば、近所のスーパー銭湯や町内会の寄合くらいで、私とはほとんど別行動でした。
娘たちも40代に、孫たちも10代後半になって、まったく手が掛からなくなったので、いわゆる「老後」は、各々が自由に過ごしていたと思います。
夫の病気が発覚したのは昨年暮れのことです。健康診断の結果が悪くて、精密検査を受けたところ、翌日には入院となり、それから一気に夫の状態は悪化していきました。
病室に姿を見せた同年代の女性
どこかで覚悟をしていたとは言え、徐々に弱っていく夫を見ることは辛かったです。入院当初こそ「医者の説明が悪い」だの「食事がまずい」だの、憎まれ口を叩いていた夫でしたが、そのうち娘や孫たちがお見舞いに来ても、あまり喋らなくなりました。
私も毎日のように病院へ通って話し相手になっていましたが、夫の口数が減ってからは行ったところで何もすることがなく、韓国語のテキストを持参して、勉強しながら夫の様子を見ていました。
それが4~5ヵ月ほど続いた頃でしょうか。いつもは面会時間が終わる1時間前の16時になると「そろそろ帰れ」と夫から言われて、私も電車が混む前に…と帰るのですが、その日は孫が「おばあちゃん、病室で暇でしょ?」と持ち歩ける薄いパソコンを渡してくれており、それで韓国ドラマが観られるように設定してくれていたので、時間を忘れて病室で見入っていました。
イヤホンをしていたせいか、夫の「そろそろ帰れ」も聞こえず、画面に夢中になっていました。17時を過ぎた頃だったと思います。病室のドアが開いて、花を手にした女の人が入って来ました。画面から目を離して女の人を見ると、その女の人は私を見るなり、慌てて後ろを向いて、そのまま病室から出て行きました。
私と同年代の人でしたが、その時の私は「病室を間違えたのだろう」と、あまり気にしていませんでした。
見覚えのある花で察知した夫と女性の関係
翌日、病室に行くと、夫のベッドの横にキレイな花が生けてありました。
「誰か来たの?」と夫に聞くと近所の人の名前を挙げ、「入れ違いで帰った」と言われました。たしかに、その人と夫は幼い頃から兄弟のように育ち、定年後に始めた畑仕事も色々と教わっていました。でも、私がいる時に何度かお見舞いに来てくれた時は、いつもは手ぶらでした。そもそも奥さんに先立たれて、娘さんも遠く離れた場所に嫁いだ一人暮らしの高齢の男性が、同じ年代の男に花なんて買って来て、わざわざ花瓶に挿すでしょうか。
腑に落ちないまま「あらそう」と返した瞬間、その花が前日の夕方、病室に間違えて入って来た女の人が持っていた花だと気付きました。
どうして、あの花が夫の枕元に…。
4人部屋だったので、他の患者さんのベッドをチラッと見たのですが、他の人の枕元には同じ花がありませんでした。間違いなく、あの女の人が夫に買って来た花です。夫を問い詰めたい気持ちになりましたが、顔色が悪く喋ることさえままならない夫に、そんなことを言えません。
眠っている夫の顔を見ながら、いろんなことを考えて、夕方まで病室に佇んでいました。すると、その日も17時を過ぎた頃に、前日と同じ女の人が病室に姿を見せ、私を見るなり、慌てて出て行きました。
後を追って、女の人を呼び止め「すいません。昨日のお花が主人のベッドにあったんですけど、どのようなご関係ですか?」と聞くと「お花?私ではありません。間違って入ってしまっただけです」と言われました。
嘘をついていることは明らかでしたが、女の人は私に会釈をして足早に去ってしまい、それ以上のことは聞けませんでした。
夫の書斎で見つけた2人の写真
それ以降、彼女は病室に姿を見せなくなりました。
看護師さんに「もう面会の時間は過ぎていますよ」と言われるまで、毎日待ち伏せていたのですが、一度も会えませんでした。
花瓶の中で枯れてしまった花は、一度も取り返られることなく、まるで花の命が尽きることを待っていたかのように、夫も亡くなってしまいました。
看護師さんや同じ病室の方のご家族に、女の人の特徴を伝えて「いつも来ていましたか?」と聞いてみたのですが、誰も本当のことを教えてくれませんでした(さあ?とか言ってごまかされました)。
夫が亡くなって数週間が経ってから、ようやく夫の遺品を整理する時間が取れました。それまでは悲しむ暇もないくらい、たくさんの手続きをしなければならず、生前整理の大切さをイヤというほど思い知りました。
夫の遺品は、靴や洋服、書斎にある本やレコードなど僅かばかりで、モノを集めない人で本当に良かった…なんて思いながら、書斎の整理をしていると分厚い手帳が目に留まりました。
この手帳は夫が仕事をしている時から使っていたものなので、会社のスケジュールでも書いているのか、とパラパラとめくったら、挟まっていたであろう何枚かの写真が落ちて来ました。
拾い上げて写真を見ると、そこに写っていたのは夫と病室で会った女の人でした。
20代と思われる頃の2人、30代と思われる頃の2人、40代、50代、60代…。定期的に旅行へ出掛けていたらしく、2人以外の人は写っていませんでした。私とは新婚旅行以来、2人でなんて出掛けていないのに…。写真の中の夫は、見たことがないくらい楽しそうに微笑んでいました。
私の知らないところで、私の知らない夫がいて、しかもその関係が50年以上続いていたなんて。
手帳の中を読んでみても、解約した夫の携帯電話の中を探しても、その女の人の連絡先は分かりませんでした。亡くなってしまった夫には、もう何も聞けません。女の人のことも、私との50年のことも。
虚しさだけが込み上げて来ました。亡くなってしまった以上、離婚もできないなんて。
もっと早く不倫を知っていたら、夫をうんと責めることもできたし、離婚だって突きつけられたし、相手のことを突き止めて慰謝料だって請求できたはずなのに。
夫の不倫が発覚してから、夫の遺影を見る度に悔しさが込み上げて来ます。線香をあげる気にもなりません。若い人たちに伝えたいことは、亡くなってしまってからでは「全てが手遅れであること」です。旦那さんや奥さんに興味・関心を持ち続けて、ちょっとした変化や矛盾を見逃さないで欲しいと思います。