急増するマッチングアプリでの不倫
出会い系サイトの低迷と相反して、急激に利用者が増えているマッチングアプリ。出会い系サイトとの大きな違いは安全性と言われており、セフレや援助交際相手を求める出会い系とは違い、共通の趣味を持つ友人探しや婚活、気軽なデート相手探しなど幅広い目的で利用されています。
しかし、既婚者NGと謳っているアプリが多いものの、登録の際の本人確認で既婚・未婚の証明までを求められるケースは少なく、出会い系サイトよりもラフに使える新たな出会いの手段として利用を試みる既婚者も増えています。
また、近年では既婚者同士のマッチングアプリも登場しており、表向きには「不倫を助長するものではない」とPRしながらも、実際には不倫相手を効率良く探す手段として用いられています。
2021年12月に消費者庁が発表した「マッチングアプリの動向整理」によると、マッチング系サービスの市場は2018年の386億円から右肩上がりの状態が続いており、2021年には768億円、2022年には911億円と順調な伸びを維持し、2026年には1,657億円を上回ると予測されています。
出典:消費者庁 マッチングアプリの動向整理
夫または妻がマッチングアプリを利用していることが発覚した場合
結論から述べますと、夫または妻がマッチングアプリを利用しているだけでは、不貞行為(いわゆる浮気・不倫)とはみなされません。
不貞行為(浮気・不倫)に該当する行為は一般的に、配偶者以外の異性と自由な意思で肉体関係を持つことを指すので、アプリの中で何をしていても不貞行為にはなりません。
※なお、肉体関係とは、性交だけではなく、それに近い関係(性交類似行為など)も含まれます。
また、アプリの中から飛び出して、マッチングアプリで知り合った人と2人きりで会っただけ、食事をしただけ、手を繋いでデートをしただけでも不貞行為には当たりません。万が一、マッチングアプリの利用が原因で離婚になったとしても、やり取りをしている相手にまで慰謝料を請求することはほぼ不可能な状態です。
※マッチングアプリの利用が原因で離婚になった場合は、不貞行為ではなく、民法第770条の法定離婚事由「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性があります。性格の不一致、性生活の不一致、モラハラ・DV、親族との不和などが、この事由に当たり、内容によって慰謝料を請求することもできます。
仮に、夫または妻に不貞行為があったとして、パートナーに慰謝料を請求したい場合は「離婚した・していない」は関係ありません。しかし、第三者の目から見ても確実に不貞行為があったと判断できるだけの証拠が必要です。
また、慰謝料の請求先はマッチングアプリを利用して不倫をしていた夫または妻だけではなく、マッチングアプリで出会った浮気相手にも請求することが可能です。
ただし、夫または妻が既婚者であることを隠して登録をしていた場合など、マッチングアプリ内で出会った浮気相手が「既婚者であることを知らなかった場合」は、その相手に対して慰謝料を請求することができません。
言い換えれば、夫または妻が既婚者であることを知りながら、肉体関係を持っていた場合のみ、浮気相手に対しても慰謝料を請求することが可能です。
これはマッチングアプリに限らず、社内不倫などのケースでも同様です。
マッチングアプリの不倫の証拠とは?
以下のような証拠が揃っていれば、不貞行為があったと判断される可能性が高くなります。
- 不倫相手に「またエッチしよう」など肉体関係があったことをほのめかすメッセージ
- 不倫相手とラブホテル内で撮影されたツーショット写真や、それが分かるメッセージ
- 夫または妻が撮影したとみられる不倫相手の裸の写真や性行為中の写真 など
メッセージの内容が「会いたい」「好き」だけでは、肉体関係があったことが分からないため、証拠としては認められないことがあります。また、ツーショット写真や性行為中の写真は、不倫相手が特定できるほど鮮明かつ顔がハッキリと写っていなければなりません。
その他にも、夫または妻が不倫を認めた発言の録音やラブホテルの領収書なども証拠になる場合があります。最も確実な証拠として知られる「不倫相手と2人でラブホテルに入る写真(または動画)」「ラブホテルから出る写真(動画)」をセットで入手できれば言い逃れはできません。
その際、ホテルへの入退室の時間や画像の質(ホテル名が確認できることやパートナーと不倫相手の顔がクリアに写っていることなど)も重要なポイントになるので、自分で証拠を入手できない場合は探偵事務所の利用も検討しましょう。
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探偵事務所による浮気調査では、決定的な不倫現場の証拠を確保するために、複数の調査員でチームを組み、ホテル街・オフィス街・住宅街などの場所によって尾行担当者の組み合わせを変えたり、追跡車両を増やしたり、経験に基づく様々な工夫を用いて、ターゲットにバレることないように動きます。
慰謝料請求の方法は?
夫または妻に慰謝料を請求する場合、まずは話し合いを行い、この段階で合意が得られた場合は調停や裁判には進みません(それでも示談書を作成しておくことをおすすめします)。
話し合うことが困難な場合や金額等の理由で合意に至らなかった場合は、調停や裁判を行いますが、基本的には月に一度しか開かれないので、問題は長期化してしまいます。
既に離婚している場合は、調停で不貞行為の慰謝料請求を行います。家庭裁判所で行われますが、裁判とは違い、裁判官と調停委員が間に入って助言をしながら話し合いによる解決を目指し、調停で合意が成立すれば合意事項を書面にして終了です。
調停ではなく裁判で慰謝料を請求することもできます(不倫相手にも慰謝料を請求する場合は裁判です)。
ただし、いずれの場合も不貞行為の証拠がなければ、何も始まりません。相手に言い逃れをさせないだけの証拠を揃えておくことが重要で、これこそが慰謝料請求を有利に進めるための重要ポイントと言えます。
第三者が見ても明らかに不貞行為(肉体関係)があったと判断できる証拠を、自力で集められない場合は探偵事務所に相談してみましょう。また、持っている証拠が裁判でも通用するものか?などの質問も、探偵事務所によっては無料相談の範囲内で対応してくれます。